これであなたも経営者!財務諸表からわかる経営視点とは!?

これであなたも経営者!財務諸表からわかる経営視点とは!?

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はじめまして、本田と申します。Mervel映画とお金が大好きです。普段は客先にて顧客と一緒に開発のお仕事をしています。そんなお金大好きを公言してしまうちょっと空気が読めない私が、今回は少し視点を変えて財務のお話をしてみたいと思います。SEはやはり技術!ということが多いと思いますが、提案をするときなど、財務の知識はきっと役に立つと思います。SEの皆さんにはとっつきにくいこの「財務」というのをできるだけわかりやすくお話しできればと思います。

財務ってなぁに?

財務(財務会計)にはまず目的があります。

・会社の事業実態を数字で把握し経営に役立てる。

という内部の目的と

・会社の外の関係者に会社の事業実態を詳しく説明するため。

という外部の目的があります。外の関係者というのは投資家や出資企業などになります。
また、経営者はこの財務諸表を見て、経営を分析し、経営方針を決めたりします。
そのために財務があり、それを表現するものとして財務諸表(財務3表)があるわけです。

これでばっちり財務諸表の種類は3つだけ!

財務諸表と呼ばれるものは以下の3つから成り立っています。

  • 貸借対照表(BS:Balance Sheet)
  • 損益計算書(PS:Profit and Loss Statement)
  • キャッシュフロー計算書(CS:Cash Flow Statement)

この3つの表が財務3表と呼ばれ、3つの表はそれぞれ密接に関連しています。
BSで会社の資産状態を、PSで事業成績をCSでキャッシュ(現金)の状況を表すことでその会社の事業活動のすべてがわかるようになっています。
まさに財務諸表を見れば、会社の状態が丸わかり!なわけですね。

では、会社のどのような活動がBS、PS、CSに影響しているのでしょうか?

会社の事業活動とは?

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会社は3つの事業活動を行うことで成り立っています。

  • お金を集める
  • 投資する
  • 利益を上げる

です。
この3つの活動で会社は成り立っています。基本的には「利益を上げる」活動が多いのですが、「投資をする」「お金を集める」ももちろん大切な活動です。
投資は新規事業を起こしたり、人材を採用したりさまざまな事業への投資に使われますし、お金を集めるのも資本金を増やしたり、株式を発行したり、こちらも大切な活動です。
では、この3つの活動のどれが、どの財務諸表に影響するのか?というと、以下になります。

  • お金を集める : 「貸借対照表」/「キャッシュフロー計算書」
  • 投資する : 「貸借対照表」/「キャッシュフロー計算書」
  • 利益を上げる : 「損益計算書」/「キャッシュフロー計算書」

正確言えば、もっとあるんですが、ざっくりこの考えでいいと思います。
これで、だいたい財務諸表と会社の動きがつながって見えるのではないでしょうか?
では、ここから経営視点を見るためにはまずはどれから攻めたらよいのでしょうか?答えは多くの方が活動している利益を上げるに関連する「損益計算書」にあります!

会社の1年間の成績表=損益計算書

もうタイトルのままなんですが、損益計算書(PS)は1年間の会社の事業成績が記録されています。
期首から期末までの1年間でどれだけの売上を計上し、どれくらいの費用を使い、どのくらいの利益を上げたのか?がすべて記載されています。
つまり「利益を上げる」という活動の結果どれくらい成果が出たのか?がこの損益計算書には記載されているのです。そしてこの利益という考え方が損益計算書には5つあり、それぞれで意味が違います。損益計算書には必ず5つの利益が記載されています。
それぞれの意味が分かれば、自分の事業行動がどこに数字として表れるのかがわかると思います。

  • 売上総利益:単純に売り上げから原価を引いた利益になります。
  • 営業利益:原価以外の売上に寄与するために使った費用を差し引いたものになります。
  • 経常利益:売上に直接寄与しない費用や収入を計算した後の利益です。
  • 税引き前利益:その名の通り税金が引かれる前の利益です。
  • 純利益:最終的に会社が上げた利益がここになります。

イメージで言うとこんな感じです。
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損益計算書は非常にシンプルです。要するに売上からかかった費用を差し引いて最終的にいくら残ったのか?が記載されている表。ということになります。

財務から見る経営視点って?

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で!?これがなんなの?というところが気になるところですよね。
損益計算書を見ただけでは残念ながら経営視点は身に付きません。ではどのように見れば経営視点な感じになるのでしょうか?実はPSの数字をちょっと割り算をして、原価率や利益率といった形にすることで、経営視点な感じが見えてきます。例えば、売上総利益で見てみましょう。売上総利益率を考えます。
例えば、売上総利益率が10%だとします。ということは、会社の費用で3万円のコストをかけてあなたがセミナーを受けた場合、そのコストを回収するには30万円の売上が最低でも必要だということです。もっと言えば純利益率が5%ならば、3万円のキャッシュを稼ぐのに必要な売上は60万円ということです。また、残業して1%ほど原価率が上がったということは利益を1%圧迫するということですので、10億円の売上なら1000万円利益が少なくなったことになります。
ということは1000万円の利益を原価率11%で上げるには1億1000万円の利益が必要になるということです。

ちょっと経営っぽくなってきました。(笑)

いえいえ、実はこれがほぼ、全てなんです。経営者の皆さんや経営層の決裁権を持っているマネージャークラスの方はほぼ全員この考え方を持っています。現在の事業にどの程度の売上やコストに寄与でき投資した分のお金を回収し、より効率よく利益を上げることができるのか?という視点です。利益を上げる方法は2つしかありません。

  1. 売り上げを増やすか
  2. 費用を減らすか

意外とシンプルですよね。実は2つしかないんです。ただ、この2つを実現する方法が無限にあり、かつそれを考えるのがとても難しいと言われてますよね。
逆に言えば、その方法をきちんとご提案できれば、経営層に響く!ということになると思います。

じゃ、提案するとして考えてみよう!

例えばあるシステムを作るのに、見積として1000万円かかるとします。決裁権を持つ方はどこで判断をするか?というと、1000万円を投資したことでどのくらい売上が増えるのか?または費用が減るのか?つまり利益率が改善するのか?というところを経営視点では見るはずです。利益率10%の会社で普段の売上が10億円とすると、1000万の投資で利益率が2%アップするのなら利益が2000万増えますから、投資効率は200%ですよね。また新たに売上が2%上がるでも良いですよね。これは非常に良い投資だ!やろう!ということになるわけです。逆にこのようなメリットを数字で説明できる提案であれば非常に受け入れてもらえやすいということになります。

どうですか?これだけでもう損益計算書が見たくなって来たでしょう?(笑)
自分の会社の利益率がどのくらいなのかがわかるだけでも、日々の事業活動が少し変わると思います。また、提案する会社の利益率や売上高にどの程度寄与できるのか?というところも考えればさらに経営視点に近づけると思います。

現場からは以上です。

かしこ。

Follow 本田:

株式会社システムサポート BS事業部 様々な開発案件を経て、現在は客先常駐にて常駐型請負開発を行う。 プライベートでは新人お父さんとして、上司(妻)から日々感謝???される毎日。 好きなもの:お金とアイアンマン(MARVEL映画)そして息子