知らないうちにお客様が離れてませんか? – UX(顧客体験)点検のススメ

知らないうちにお客様が離れてませんか? – UX(顧客体験)点検のススメ

with コメントはまだありません
ux-blog_header

こんにちは加藤と申します。
今回のテーマはUX(顧客体験)の改善について。季節外れとなってしまいますが、先シーズン行ったスキー場での顧客体験(UX)を例にお話ししたいと思います。私はとあるスキー場に行ったのですが顧客体験に不満を感じ、結果として

「ここはもう利用したくないな」
という感想を持ちました。

これはサービス提供側としてはすごくもったいない話ですよね?
この記事ではそれにどのように気づき・改善するかを考察してみます。

まずその日の私の顧客体験でイマイチだった点を順を追って説明していきます。

(お急ぎの方は 解決偏から)

BACK TO THE 身分証

スキー場へ到着したのは11時頃と遅めの時間だったので、近くの駐車場はすでに満車になっており少し離れたところにある第n駐車場へ車を停めることになりました。
車の中でウェアへ着替えます。
板とブーツはレンタル派なのでロッジについてから借りようと思い現金をウェアのポケットに入れて出発します。ロッジまでは徒歩では厳しい距離なので、駐車場からは無料のシャトルバスが出ていました。
これは嬉しいです。

さて、ロッジ着いたらまずはレンタルショップで板を借ります

が、ここで不穏な張り紙が目に入ります

「レンタルには身分証の提示が必要」だと・・

以前来た時は大丈夫だったのにルールが変わったようだ(汗)
カウンターでどうにかならないか聞いてみてもダメで連れが持っていればいいということだが、連れも財布ごと車に置いてきている

というわけで、ゲレンデを目前にしながら離れた駐車場までシャトルバスで引き返すことになりテンションが急降下したわけです。。。

紛失保険加入の攻防

15分後・・・
「ハァ ハァ 免許証持ってレンタルショップに戻ってきたぜ」気を取り直してレンタルショップで申し込み用紙を記入します。
「機材の紛失保険 500円」のオプションがあるが、
リスクは承知で「不要」にチェックをしてレジに進みます。

レジの方から
「紛失保険に入っていない場合、他の方の板の取り違えでも弁償となりますが大丈夫ですか?」
という確認をされましたが「大丈夫です」と回答し
板の受け取りに進みます。

すると板の係りの兄さんも
「紛失保険入っていませんが、最近は板の取り違えが多くなっていてほとんどのお客様が入っていますがよろしいですか?」

(え、なんかこわい)
なぜこんなに脅されるのか、ついに怖くなって
「じゃあ、入ります」と折れました。
が不自然なまでに強引な勧誘に不信感を抱くことになりました。

リフト券ICカード化のメリットとは

そんなこんなでリフト券を購入する頃には時刻は正午をまわろうとしていましたので、一日券ではなく午後券をチケットカウンターでお願いしますと「ICカード補償金が含まれまして ¥4,200 になります」

(高いぃ…午後券なのに一日券くらいの値段になってる)

ICカード化以前、リフト乗り場のスタッフにリフト券が見えるようにして通過する形でしたが

リフト券がICカードになって、リフト乗り場に駅の自動改札の様なゲートが設置されました。

ゲートを通る際にICカードを読取装置の近くにかざして通過するのですが、
利用した感想は、逆に煩わしくなっていると感じました。

解決編

その日スノーボード自体は楽しかったのですが、同スキー場に対しては上記の体験からネガティブな印象を持ちました。ちゃんとしたスポーツショップが入っていたり、レストランが充実していたりと、
他の面では顧客満足度をあげようとする努力を感じられるため非常にもったいないです。

ここからサービス提供者側としてどのように顧客体験の問題を回避していくかという
お話をしたいと思います。

  • レンタルのために身分証を取りに駐車場へ引き返す
  • レンタル紛失保険をしつこく勧誘
  • メリットを感じないリフト券のICカード化

これらの課題は「顧客の文脈を横断的に理解していない」ことにより生じていると考えます。

「顧客の文脈」とは、
どのような顧客がどのようにサービスを利用するか、
またサービスの接点において顧客がどういう欲求をもっていて、利用後にどういった感情を持つか といった、今見えているもの以外の背景のことで
マーケティグの言葉では「ユーザーストーリー」と言われています。
 
そして上で、「横断的に」と言っているのは
顧客との特定の接点だけを見ていては、部分最適化止まりで全体の顧客体験の問題に気がつけないからです。
 
スキー場を利用する場合であれば、スキーへ行こうと決めてからスキー場へ行って、
準備をして、滑って、休憩をとって、また滑って、帰り支度をして、
家に帰るまでの一連の流れを顧客になりきって想像して追体験することで、
サービス提供側の視点では気づかなかった顧客体験の課題やその時々の顧客の欲求が見えてきます。
(会議室を出て実際にロールプレイしてみることが一番いいのですが)

 

そうやって考えていくと「貴重品を持ったまま滑りたくない」という顧客の欲求が見え、
「レンタルで身分証提示を求めるが車に置いてきている人が多い」という問題に予め気づくことができるでしょう。
そうすれば「シャトルバスに乗る前にレンタルには身分証が必要ですと一声かける」などの対策を講じることができます。
 
また「客単価アップのためにレンタル機材の紛失保険をしつこく勧誘する」ことは
顧客体験からすると愚策であると、思いとどまれるかもしれません。
(始めからレンタル費用に含めてくれた方がストレスフリーです)
 
ICリフト券が顧客の利便性を改善しないのなら
別のメリットを訴求しないと納得感が得られないことに気づけるかもしれません。

 
ポイントはシャトルバスの運転手やレンタルショップの受付の人が個々に自分の持ち場だけ見ていては気づくことは難しいということ。
提供側として見慣れた・知り尽くしていると思っているサービスも是非、顧客体験の点検をしていただければと思います。

まとめ

  • サービスの顧客満足度を守るために、顧客体験のチェックをしましょう
  • サービス提供側の都合をすべて忘れて、顧客のストーリーを想像しましょう
  • 自分の部門や担当パートだけでなく、一連の顧客接点を通してチェックしましょう
加藤
Follow 加藤:

株式会社システムサポート BS事業部 石川県出身 ディレクター/アーキテクトとしてWEBシステムの開発案件に多く携わる。 カレー好き。「昨日もカレーだったんだよね」は甘えだと思っている。