はじめに
こんにちは。菱田です。
昨年末、BSX事業部はシステムサポートで初となる、オンライントークセッション
『ServiceNow導入・活用企業が語るIT業務のDX化とグローバル展開』
を開催しました。
株式会社トプコンの中島氏をお招きし、『「医・食・住」に関する社会的課題を解決し、豊かな社会づくりに貢献します。』を経営理念に掲げ「医」「食」「住」の分野でグローバルに事業展開するトプコンがなぜServiceNowを選択し、どのように導入・活用しているのかについて、トプコンのIT業務DX化を支援する弊社BSX事業部長の榎本と対談いただきました。
どんな方にご参加いただいたか
日ごろよりシステムサポートにてご支援させていただいている皆さまや、So-da上のお知らせ記事にてイベントにご興味をもっていただいた方々、それから株式会社トプコンの社員の皆さまも含め50名超のかたに視聴いただきました。
トークセッションの様子
トークセッションではServiceNowを検討・活用中のかたがたにお伝えしたいお話をたくさんしていただきました。
参加者からも好評だったトークテーマを一部ご紹介します。
ITSM導入を検討した背景
IT部門の担当者は、一人のユーザに対して自身の知識や経験から導いた回答や対応をすることで満足してもらえるサービスを提供していると思いがちですが、品質を維持したい管理側としては、IT部門担当者の誰もが同じ品質で同じ対応をできることが大事と考えており、それを実現するために導入を検討しました。
ユーザに必要な対応が属人化しているので、担当者の業務変更によりノウハウが残らない。
また、「IT部門全体として、いま・どの部門から・どんな依頼がきていて・対応状況がどうなのか」を誰もが説明ができない。
そんな状況でした。
そのため、サービスレベルという話すらできないのが実態でした。
榎本
そういう状態の時って、実はユーザに聞いてみると「担当者によって回答が違って困る」など、たいして満足いただけてない場合もありますね。
STSを選択した理由
実は、STSとは別のベンダでServiceNow決め打ちに近い形で、概要設計を進めていました。
概要設計時には、“業務を変える意味がわからない”、“新しいツールでよくわからない”というメンバの意見があり、ITSMツールの範囲も広げ、ツールの理解を深めるために、再度ベンダ選定から実施することにしました。
比較したベンダは、リスクを取らないようにするために、契約条件やRFI/RFPに書いた内容の実現でいくら・その他は別途見積、という言い方が多かったです。
STSは、「寄り添い一緒に考えていきます・金額はこの範囲でなるべく進めていきます」とご提案いただいたのが、まだツールや業務に理解の浅かったプロジェクトメンバには刺さったようです。
また、STSのChieltasも選定した理由の一つです。
榎本
本日ご参加の皆さまにも説明しますとServiceNowのプラットフォーム上でITSMのプロセスをしっかり動かすためのサービス提供基盤とIT業務改善のしくみをテンプレート化したものを「Chieltas®」として提供させていただいています。
システムサポートの「Chieltas®」
プロジェクト実施中の状況について
Step1のゴールはITサービスの問合せをサービスポータルに集約することと対応状況の見える化、としました。
STS依存ではなくトプコン皆さま自身が自律してITSMの実践・DXの推進をしていくためのスキルトランスファーをご提供し、継続して改善するための改善型サポートサービスをご提供していることがこのプロジェクトの特長です。
もう一つ特徴的なのはスキトラを1か月しっかり実施したことと、約500件のFAQの移行です。
従来のFAQは検索Hit率の低い状態でしたが、STSのノウハウをご提供し、約500件のFAQをより検索性が高くなるよう作り変える対応を両社共同で実施しました。
FAQ作成のスキトラも実施いただいたのでGoLive後もどんどんFAQは増えています。
ヘルプデスクの一次窓口を派遣社員がリモートで対応していますが、その人がFAQを検索しながら回答してくれているので、今まで電話で対応していた人たちが違う業務をすることができるようになりました。
また、二次対応者にエスカレーションしたインシデントの対応履歴を確認しながら一次窓口の人がFAQを作ってくれたりしていて、よい循環を生んでいます。
榎本
われわれも改善活動でデータを見ていますがFAQの検索率が上昇してきましたね。それと合わせて問合せの質もあがっているのを感じています。
Step2・Step3の状況
思いのほか日本の基盤はうまく進んでいるので、早い段階からアジアに展開していこうとしているところです。
文字でのコミュニケーションとなりヒアリングができなくてもウェブ翻訳で対応ができるので、英語力がそれほど高くなくてもグローバルなユーザサポートができるところが日本人向きだと思っています。
ITILのプロセスは業務をやるうえでもベーシックなので、これを業務に適用していくと運用が効率的になっていくので、IT業務に限らず色々やってみようと思っています。
榎本
法務が管理する契約書のライフサイクル管理やグローバルでの稟議処理の一元化などのプロジェクトも始まりますし、ますます活用の幅が広がっていきますね。
QA
・従業員満足度はどれくらい向上したと思いますか?
満足度調査は敢えてやっていないのですが、問合せの回答に対するお叱りは減った気がします。
以前は全然回答がこないなどのクレームがありましたが、現在は一次窓口が随時対応しているので、導入前のようなお叱りはなくなってきています。
ServiceNowはグローバルスタンダードにもなっているし、ある程度の問合せの量があり属人化が進んでいるのであればよい基盤だと思います。
個人的にはバージョンアップがネックだと思っているので「Chieltas®」のようなテンプレートを持っているベンダーを採用するとバージョンアップのハードルがあまりなくなり、新機能に追随していくことができるので一番よいと思います。
ServiceNowがパーフェクトだとは思っていないですが、AIを使ったチャットボットとかプロビジョニングとの連携の機能が付いていて、将来より機能強化されていくことで、IT部門の業務改善アイデアが自動的に提案されているところがよいと思っています。
参加者の声
アンケートにご回答いただいた方のうち、約9割のかたに「満足」の回答をいただきました。
自由回答欄では以下のようなご意見ご感想をお寄せいただきました。
ServiceNowと他のITSMツールとの比較した経緯やご意見も聞くことができて参考になりました。
『内製化』大きな課題と思います。FAQの検索性向上を主体的に見る体制づくりが必要だと改めて感じました。
STSおよびServiceNow選定の理由を、実際にお客様からの生の声で伺えたことが大変参考になりました。
実際にServiceNowを導入してみて、ServiceNowに対して思う課題が同じであることを感じました。
ServiceNowといっても機能が幅広いので、インシデント管理、問題管理など、機能ごとに導入した会社様のトークセッションを聞いてみたいです。
弊社でも同じ時期からServiceNowの導入をはじめ、FAQの検索性能を上げたいこと、インシデントにおける良かった点と課題に感じているところが似ていたところに共感を得ました。
今後のイベントについて
本年もオンラインセッションをはじめ、弊社アドバイザが皆さまのお話を直接お受けする個別相談会、ご参加の皆さまとゲストおよびホストが自由に意見を交換するラウンドテーブルなど、様々なイベントを開催予定です。
企画内容は随時So-daにも掲載していきますので、今後もご期待ください!